『ドルアーガの塔』研究室 管理日報

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【ドルアーガ論・4】『カイの冒険』の戸惑い

 『イシターの復活』(ナムコ・1986年)で、ギルとカイは塔からの脱出に成功。
 これにてシリーズは完結…と思われていたが、1988年になってファミコンオリジナルのタイトルとして『カイの冒険』のリリースが発表された。

 その立ち位置は、『ドルアーガの塔』の前のエピソード。
 ストーリー上でしか語られていなかった、「ギルが負傷で床に伏せっている間、カイがイシターの命で単身塔に向かう」という部分を、ゲームにしたものだった。


 いざその姿が雑誌などで紹介されると、前2作とはまた異なる雰囲気に、ファンは驚かされることとなる。


いくつもの設定が明らかに
 『ドルアーガの塔』『イシターの復活』当時は明らかになっていなかった、数々の設定がデモ画面で明かされた。
 ギルたちの出身国である「バビリムのまち」、そこを流れる川「ユーフレイト」、ギルの父親である「マーダックおう」、バビリムに攻めてきた敵国「スーマールていこく」とその長「バララントこうてい」…。これらは皆、この作品で初めて公にされた設定である。
 また、カイがイシターより賜った「勇気を身軽さに変えるティアラ」は、『ドルアーガの塔』においてギルが賜った「勇気を力に変える鎧」と好対照をなし、ゲームシステムに無理なくとけ込んでいる設定として感心させられた。

イメージイラストが篠崎氏ではない
 前2作までを遠藤・内藤・小沢・篠崎の4氏が中心となって手がけていたため、この「チーム・ドルアーガ」とも言うべき面々が『カイの冒険』でも中核をなすもの、と当然のように思われていた。
 ところが、パッケージをはじめとする各種イラストを手がけたのは、篠崎氏ではなかった。
 スタッフロールによると、パッケージイラストを手がけたのは「チャーミー そのえ」氏。また、漫画家・イラストレーターのときた洸一氏が、パッケージイラストの“仕上げ”と取扱説明書のイラストを手がけている。

 ときた氏は当時『えりかとさとるの夢冒険』やPCエンジン版『ワンダーモモ』など、一連のパッケージイラストを手がけている。
 その流れからすると、決して不自然ではないのだが…“シリーズのイラストは篠崎氏”という印象があっただけに、それが覆ったことの違和感は大きかった(なお、ゲーム内で表示される画像の元イラストは、篠崎氏のものと思われる)。
 なぜかカイの瞳が赤く、また画風がアニメ調だったことも、その違和感の一因だったのかもしれない。


 ちなみに、ナムコ広報誌・NGで、このソフトが紹介された時に付けられたキャッチコピーは、「ボクってロリコンかな」。恐らく、「二次コン(二次元コンプレックス)」とごっちゃになったものと思われる。
 いずれにせよ、当時のNGは広報誌でありながら、ナムコの方針に異議を唱えることが多かった。このキャッチコピーもまた、一連のイラストに対する皮肉を含んでいたのかもしれない。


 その他にも、事前情報では「カイは一切攻撃できない」「価格が3,900円」などの特徴も見られた(当時のナムコのファミコンソフトは、定価が最低でも4,900円であり、同年3,900円で販売された他のソフトは、同じく遠藤雅伸氏制作の『ファミリーサーキット』のみだった)。

 しかし、実際にゲームに挑戦してみると、そうした事前情報からくる違和感を遙かに上回る“勝手の違い”に遭遇することとなる。


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  1. 2011/06/21(火) 23:59:59|
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